システムエンジニアに資格は不要!本当に必要なスキルとは?

システムエンジニアへの就職・転職を目指す場合、資格取得が必要かどうか悩む方も多いでしょう。

しかし、現場で求められるスキルは資格で証明できるものだけではありません。

この記事では、SE歴10年の私が、IT業界への就職・転職においてIT資格が不要である理由と、真に重要なスキルについて解説します。

目次

学生時代に応用情報まで取得した私

就活で有利になるかと思い、学生時代に取得

ぼんやりとIT業界に業界に就職したいと考えていた大学生の私は、このままだと履歴書の資格欄に「自動車免許」しか書けないことに焦り、就活がスタートするまでの期間に応用情報技術者試験まで取得しました。

やっぱり、学生時代に応用情報まで取得している就活生は珍しいのか、「勉強を頑張ったんですね」くらいには褒められた気がします。

ただ、それでも最初の面接で落ちた企業もたくさんあるので、資格が有利に働いたとは思いませんでした。

入社後に資格の知識を使った覚えがない

奇跡的に、新卒で大手SIer企業に就職できた私ですが、入社10年経っても、基本情報・応用情報の知識を使った記憶はありません。

二進数から、コンピュータの基礎知識、アルゴリズムなど、もちろん大事な基礎知識であることは分かるのですが、プロジェクト管理がメインになる大手SIerの業務において、「基本情報を持っていて良かったな」と思ったシーンが無いんです。

もし、就職や転職時のアピールポイントとして、ITパスポート、基本情報・応用情報レベルのIT資格の取得を考えている方がいれば、個人的にはオススメしません。

新卒の就活なら、多少有利

資格は基礎知識の証

最初に資格不要とは言いましたが、新卒での就職活動であれば、IT資格を持っていると「多少」有利になると思います。

おそらく、ほとんどの就活生は、資格欄に「自動車免許」しか書けないので、もし、その時点でIT資格を持っていると、基礎知識を証明する手段となり得ます。

企業側も、採用時に資格を持っていることを一定の評価基準として捉えることが多いです。

文部科学省の「大学卒業者の就職状況」に関する調査でも、特に新卒採用においては、資格が企業の選考基準の一つとして考慮されることが示されています。

ただし、資格が全てではない

しかし、あくまで「多少」有利になるだけで、資格有無だけでは内定は出ません。

企業は総合的な人物像を見て採用を判断するでしょう。

まったく同じ学歴、同じ人物像を持った学生が複数いた場合、最後の判断基準として資格の有無を確認する、そういうレベルです。

IT資格を取ることに力を入れるよりも、企業研究、自分の強み、面接者への質問など、いわゆる面接対策に時間を使ったほうが圧倒的にコスパ高いです。

転職時は、資格よりも実績が重視される

実務経験こそが、転職市場での強みになる

エンジニア転職においては、資格よりも実績が圧倒的に重視されます。

大学生の就活(新卒)と違い、転職時は資格は一切役に立たないです。

企業は、応募者が過去にどのようなプロジェクトに関わり、どのような成果を上げたかを重視します。実績が示すのは、単なる技術知識ではなく、現場での問題解決能力や実際に価値を生み出す力です。

例えば、難易度の高いプロジェクトを成功させた経験や、チームをリードして目標を達成した実績は、企業にとって非常に魅力的です。

経済産業省の「IT人材白書」でも、企業が求めるのは即戦力としての実務経験であり、資格はその補完的な役割に過ぎないことが示されています。

資格では仕事はできない

例えば、基本情報技術者を取得した方は、「SYNフラッド攻撃」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

これは攻撃対象のコンピュータに大量のデータを送信して、対象をダウンさせる攻撃方法の一種です。

この記事を読んでいる方でSYNフラッド攻撃の概要を説明できる方はいるかもしれませんが、実際にSYNフラッド攻撃を防ぐことはできますか?

または、実際に防いだ経験はありますか?

資格で得た知識よりも、実際に「不正アクセスの対策を行ったことがある」「月間10億PVのサイトを運用したことがる」という実績のほうが圧倒的に重要です。

一部の資格を除いて、マジで資格はカスと思ってください。

未経験からエンジニアを目指す場合に必要なもの

未経験(IT業界以外)からシステムエンジニアを目指す場合、前述した「不正アクセスの対策を行った」「月間10億PVのサイトを運用した」などの実績は当然無いと思います。

だからこそ、事前に資格を取っておきたいという気持ちは分かります。

でも、先ほど言ったように資格(特に、ITパスポート、基本・応用情報など)は、転職時には何の有利にも働きません。

なので、後述する「調整力」をアピールしてください。

システムエンジニアには調整力が大事

調整力がプロジェクトの鍵を握る

大手SIer企業でシステムエンジニアとして働く場合、「調整力」が不可欠です。

言い方を変えると、調整力さえあれば、プログラミングスキルも資格も不要です。

プロジェクトが大規模であればあるほど、異なるチーム、パートナー企業、クライアントなど、たくさんの関係者が存在します。

そして、そこには多くのコミュニケーションが発生します。

異なる意見をまとめり、課題を解決したり、顧客折衝したり、プロジェクト全体をスムーズに進行させる「調整力」を発揮できる人材が最も求められます。

自分の周りも見ていても、プロジェクトで活躍する人、リーダーになる人、マネージャに出世する人は、例外なく、人を巻き込んで調整力を発揮する人が多いです。

調整力はIT業界に限った話ではい

未経験(現職がIT業界ではない)の方でも、現職の仕事でトラブルが発生したことは当然あるでしょう。

そんなとき、自分で解決したり、自分では困難なときは同僚や同僚を巻き込んだりして、トラブルを解決に導くことはあると思います。

それと同じです。

未経験からIT業界への転職を目指す方で、IT資格も無い、IT現場での実務経験も無い場合は、この「調整力」を現職のエピソードを交えてアピールするのが最適だと思います。

総務省の「働き方改革推進状況に関する調査」でも、プロジェクトマネジメントにおいて調整力がいかに重要かが強調されています。企業は、このようなスキルを持つエンジニアを高く評価します。

結論:IT資格は不要

システムエンジニアとしてのキャリアを築く上で、資格は必ずしも必要ではありません。

特に、転職市場では資格よりも実績や調整力、コミュニケーションスキルが重視される傾向にあります。

IT資格に頼るよりも、実務経験を積み、現場で求められるスキルを磨くことが、キャリアアップには最も効果的です。

これからのキャリアを考える際には、資格取得に過度に依存せず、現場での実績とスキルを磨くことに注力することをお勧めします。

それでも資格を取りたい人は「AWS」がオススメ

それでも、どうしても、IT業界への転職を見据えて資格を取っておきたい人がいあれば、AWS(Amazon Web Services)関連の資格をオススメします。

MOS、ITパスポート、基本情報・応用情報は取らなくて良いです。

以下に、AWS資格が他のIT資格と比べて優れている理由を説明します。

クラウド市場トップのAWS

AWSは、クラウドサービス市場でのトップです。

IT業界の調査を行う企業、ガートナーの調査によると、AWSはクラウドインフラ市場の大部分を占めており、その成長は今後も続くと予測されています。

AWSのスキルを持つエンジニアは、クラウド市場での競争力を大きく高めることができ、これからのITキャリアにおいて非常に有利な立場に立つことができます。

企業からの需要が高い

現在、多くの企業がAWSを導入しており、そのスキルを持つ人材に対する需要が高まっています。

特に、AWS資格を持っていることは、クラウド技術の専門性を証明する一つの指標となり、採用担当者やプロジェクトマネージャーから高い評価を得ることができます。

これにより、転職やキャリアアップの際にも有利な立場に立つことができます。

幅広いキャリアパスに対応

AWS資格は、初心者向けの「AWS Certified Cloud Practitioner」から、上級者向けの「AWS Certified Solutions Architect」や「AWS Certified DevOps Engineer」など、さまざまなレベルと専門分野に対応しています。

未経験であれば「AWS Certified Cloud Practitioner」を取得して、上位の資格取得に進んでいくと良いです。

実務に直結したスキルが身に付く

AWS資格の試験は、理論だけでなく実務に直結した内容が多く含まれています。

実際にAWS環境を構築し、管理するための知識やスキルを学ぶことができるため、資格取得後すぐに現場で役立てることができます。

このように、AWS資格は単なる知識の証明ではなく、実務で使えるスキルセットを身に付けるための有効な手段です。

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